原爆ドームに近い宿から広島平和記念資料館へ。「生の情報」part2!

宿から原爆ドームまでのお散歩体験記に引き続き、歩いて見つけた平和公園内の生の情報をお届け。公園内には広島平和記念資料館の他にも沢山の碑やモニュメントがあります。旅館はらだから平和公園をぐるっと一周1.9km、約30分の行程。近いから、時間を気にせず、一つ一つじっくりご見学されるも良し、ブラブラお散歩だけでもおススメ!

絶景!新スポット「おりづるタワー」

前回の投稿で、ビジネス旅館はらだから、実際に歩いてみて、410m、587歩、5分51秒にて到着!という、原爆ドームまでの近さを確認できる情報をお伝えさせていただきましたが、今回はその続き!原爆ドームから、広島平和記念資料館経由で、平和公園内の色々な碑やモニュメントなどをご紹介させていただきます!

まずは原爆ドームのすぐ東側をご覧ください!距離にして50mと、すぐ近くにそびえたつ「おりづるタワー」です。2016年に広島MAZDAさんが、新たに建てた広島の新名所!

1階の「握手カフェ」では、広島名物のお好み焼きを、歩きながらでも食べれるようにした「オコス」(お好み焼き+タコス)、丼で食べちゃう「オコモコ丼」(お好み焼き+ロコモコ)や、あなごをお手軽に食べられる「あなご丼」もあれば、カキのいろんなメニューも豊富!そして何より、空間がオシャレ!

「握手カフェ」の他にも、1階には厳選した広島お土産が購入できる「SOUVENIR SELECT 人と樹」があります。広島お土産といえば「もみじ饅頭」ですが、粒あん、こしあんだけではなく、チーズ、チョコ、抹茶などのフレーバーや、モチモチした食感の「生もみじ」あり、バラエティに富んだ「もみじファミリー」は見るだけで楽しい!「もみじ饅頭」以外にも、近年力を入れている「レモン」や柑橘系を使ったスイーツなども豊富(一度見たら忘れらない、因島の「はっさくゼリー」は有名ですよね!)。そのほか、女性に人気の「熊野筆」も、ギフトにもピッタリな形や色を現代版にアレンジされた素敵なものもあります!

とは言え、おりづるタワーのメインはなんといっても展望台「ひろしまの丘」。原爆ドームを真上から見下ろせ、これまで見られなかったポイントもじっくり観察できるし、ドア・窓がないので開放的かつ、太い木の柱に支えられた神殿的な空間から見渡す瀬戸内海、宮島、広島市内の風景は素晴らしいの一言!

現在はコロナウィルス感染拡大防止のため、土日のみのオープンで、時間短縮にて営業中ですが、コロナ禍が終息した後は、是非夜に、お酒片手に広島市内の素晴らしい夜景を楽しんでください!オススメです!

学生さんに見て・感じてほしい!動員学徒慰霊塔

おりづるタワーから南に進むと大きな塔が見えてきます。「動員学徒慰霊塔」です。第二次世界大戦末期には、日本には物資、武器だけではなく、「労働力」が足らなくなってしまいます。そこで本来は勉学に励むべき学生も、戦地に赴いたり、工場に配属され、戦争に関係のある武器、兵器、軍服などを作る業務に従事する学生もいました。

「お国のため!」と「ある目的」のために日本国民が一致団結して、出来ることを協力し合うこと。それ自体は素晴らしいことかもしれません。でも、戦争が目的となって一致団結することには、恐怖しか感じません。しかし、当時の状況・教育・環境下では、純粋な若い命は、疑問も持つことなく、命や労働力を差し出したのかもしれません。

政治家、軍人だけではなく、自らが選択・決定できない立場の学生までも、無理やり戦争に加担させてしまった愚かな行について改めて考えさせられる塔です。若い方にも見て、感じて、考えていただきたいです。

リバークルーズを使えば宮島も近い!

広島には、世界遺産が2つもあるのです!日本国内では3つある奈良県に次ぐ、珍しい県です。「原爆ドーム」と「宮島の厳島神社と弥山」の2つが世界遺産として登録されているのですが、一日で両方とも観光できちゃうんです!

原爆ドームは、広島駅から市内電車で約20分、宮島までは広島駅からJRと船で1時間です。別日にそれぞれ行かれるのもいいですが、時間がない方は、原爆ドームの傍を流れる川から宮島行きのリバークルーズが出ているのです!

45分の船旅で、2200円。少しリッチな気持ちで、川から見上げる原爆ドームや、広島市内の様子を楽しみながら、波の緩やかなリズムでウトウトして、目が覚めたら、目の前には真っ赤な厳島神社の大鳥居!原爆ドームから宮島直通の世界遺産弾丸ツアーはいかがですか?

リバークルーズ前に空き時間があれば、宮島行桟橋のすぐ傍に、オレンジなどの果物がマルシェのように並べられている素敵なカフェ ポンテさんで、イタリア料理で舌鼓を打つもよし、川の流れを眺めながらドルチェ(スイーツ)とコーヒーで一息つくのもおススメです!

※広島駅からJR+船の場合は、600円で行けますので、時間はたっぷりあるからリーズナブルなご旅行にしたい場合は、電車+船の旅がオススメです!

世界中の想いが集まる禎子像(原爆の子の像)

宿から原爆ドーム経由で1072歩、750m。原爆ドームからは485歩、295㍍の場所に立つ「原爆の子の像」。広島の空に、折り鶴を掲げた少女の像の周りには、修学旅行で訪れた学生や、世界から届けられた千羽鶴が、色鮮やかに囲みます。

1945年、2歳の時に被爆し、10年後に白血病が発症した佐々木貞子さんを偲んで、同級生が募金を集めて建てられたモニュメントです。

被爆して、一瞬で燃え尽きてしまった人、ケロイド状の火傷を負った人だけではなく、体の中の遺伝子が傷つけられ、何年も経ってから病に侵される人、そして、被爆していない人の「心」さえも傷つけ、被爆した人を「差別」してしまった人。原爆という兵器の持つ、残酷さに打ちのめされます。

「これはぼくらの叫びです これは私たちの祈りです 世界に平和をきずくための」。「原爆の子の像」の碑文の叫びを心に。

絶やさない!平和の灯

丹下健三さん設計の「平和の灯(ともしび)」。手のひらを空に向けて開いた形の台座に燃える灯。宮島の弥山の山頂付近に建つ大本山大聖院の「消えずの火」や、日本国内の色んな宗派のお寺から火が集めらて、燃え続けています。

但し、その火種には、イケイケドンドンな高度経済成長期と復興をイメージしてか?工業地帯の溶鉱炉から採取してきた火種も混じっているそうです。

昨今SDGsが叫ばれているなか、有限な地球の資源を使いながら経済を回すことついての議論が活発化されてます。溶鉱炉の火種も混じった「平和の灯」の存在理由を「今」改めて考えなければならないときなのかもしれませんね。

丹下健三とイサムノグチによる広島のシンボル「原爆死没者慰霊碑」

当初はイサムノグチさんがデザインした、もっと丸み・ボリュームがあるデザインの案があったのですが(昔、広島市現代美術館で模型を拝見したことがありましたが、小さい模型ながらも圧倒的なパワーを感じました)、イサムノグチさんの出自がふさわしくないということで、廃案。しかし、丹下健三さんが、イサムノグチさんのアイディアを取りれつつ完成したアーチ型の「原爆死没者慰霊碑」。

8月6日の原爆の日や、オバマ前大統領や、ローマ教皇が広島を訪問した際の式典が行われる平和公園内のメイン会場に建つモニュメント。正面に立つと、平和の灯、原爆ドーム、広島平和記念資料館が一直線に並びます。モニュメント内の碑には「過ちは繰り返しませんから」との碑文が書かれています。

この碑文の意味は??「誰が過ちを犯したの?」。兵器になると分かってて開発した研究者?原爆を落とされる戦争を引き起こした日本?原爆を落とした国?慰霊碑の前で首を垂れ、祈る人それぞれの考え・気持ちによって、色んな意味を持つ碑文だと思います。

原爆の愚かしさを再確認「広島平和記念資料館」

宿から原爆ドーム経由で1516歩、1km。原爆ドームからは929歩、590㍍で到着の、2019年4月にリニューアルオープンした広島平和記念資料館。修学旅行などで、訪れた方もおられるかもしれませんが、内装だけではなく、展示内容も大きく変化しておりますので、大人になってもう一度訪れても、新たな発見があるはずです。

焼けただれた皮膚が垂れ下がった模型人形等は、子供にショックが強すぎるなどの理由から、展示されなくなりましたが、原爆投下直後に米軍が撮影した写真などのリアリティさには息をのみます。

平和記念資料館に入る前と出た後に飛び込んでくる、緑にあふれた広島市内の風景は、皆様にはどのように映るでしょうか?

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で、その時代に生きた方々に想いを馳せる

2001年に平和公園内に、国立としては初めて建てられた資料館・モニュメント「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」。新しいので、外からの見た目はモダンで、「美術館?」と間違うほどの外観です。

中には、原爆で被害にあわれた方の遺影や、被爆者が体験された体験記、証言ビデオ等も見ることができます。広島の瀬戸内海に浮かぶ江田島の海軍兵学校などにも、戦地に赴く若い兵隊の遺書等が公開されていますが、このように「生」の言葉・文字・映像を見ると、本当に心が痛みます。

原爆で20万人の方が犠牲になった!というマクロな視点だけではなく、20万人の一人一人に家族があり、兄弟があり、恋人があり、歴史があり、考え方があり、、、被害者の数、被害の規模などのデータだけでは感じることができない、一人一人に降りかかった、戦争や原爆や放射能がもたらすむごさ・哀しさが胸に突き刺さります。

平和の鐘を鳴らそう!

普段の生活をしていると、旅館から近いこともあって、原爆・戦争について意識することも少ないですが、改めて自分の足で歩き、ブログで文章化すると、、、、やはり辛い気持ちになります。。。楽のしい気持ちで観光がしたい!というお客様にとっては、一日じっくり原爆ドーム、平和公園を見て回ると、心のどこかの部分が傷つき、疲れると思います。

そんな時は、先ほど書いた川辺のカフェ(ポンテさんの他にも、平和公園周辺ににはSheba Cafeさんやハチドリ舎さんなど、素敵なお店がありますよ~)で一息入れるもあり、雁木(船着き場。広島の川には無数の雁木があり、平和公園内には、腰を下ろせるスペースがある雁木も!)でゆったりとした川の流れを眺めて、刺激を受けすぎた心をホッコリさせるのもいいかも!

もしくは、平和公園内にある「平和の鐘」をたたくのものあり!?鐘を丸太で突く場所には「原子力マーク」が彫られているのです!!「原爆なんかいらんのんじゃ!(広島弁)」と力いっぱい「平和の鐘」を叩いてストレス解消!?

平和の鐘から西を眺めてください。ビジネス旅館はらだの看板が見えます!歩き疲れても、近いので、すぐ帰って大浴場でゆ~ったりできますから、ご安心して、じっくりタップリ平和公園を満喫してください!

韓国人原爆犠牲者慰霊碑、原爆供養塔

広島平和記念資料館から、ビジネス旅館はらだまでの帰り道も、見過ごしがちですが、大切な碑やモニュメントがあります。

半円形の丘状の「原爆供養塔」は一家全滅されたり、バラバラになって身元が不明になったご遺骨などが集められている場所です。名もなき魂?そんなモノはないんじゅないかな〜。困難な時代に精いっぱい生きた一人一人、名前を持った、何にも替えがたい一人の人間しかいないんじゃないんかな〜。私の親戚ではないかもしれない、何も関係はないかもしれない。でも、自然と手が合わさり、ご冥福を祈る場所です。

もう一つ紹介させていただきたいのが「韓国人原爆犠牲者慰霊塔」。私が学生の頃は、平和公園の外に立てられていましたが、公園内に移築されました。

イサムノグチさんがアメリカの血が入っているから、慰霊碑のデザインから外された逸話を紹介しましたが、戦争の被害者、平和を願う心に、人種も国境もない。でも、私が小さいころは、「朝鮮の方の慰霊碑」が平和公園の外にあることの違和感について、感じたこともなかった。知らなきゃいけないことを知らないコトで、知らず知らずに誰かを傷つけてしまっていることもあるかもしれない。知る事の大切さを改めて痛感する慰霊碑です。

平和乃観音像

原爆ドーム、広島平和記念資料館をグルっと回って1.9km、28分

最後まで、読んでいただいた方には、長文・駄文で大変恐縮です。。。。どうしても、想いが入ってしまいます。

今回、改めてビジネス旅館はらだから、原爆ドームを経て、広島平和記念資料館を回って、宿に帰ってくる1.9km、2854歩、28分の散歩。改めて「近い!」と感じはしたのですが、歩きながら色々と考えさせる散歩でした。

平和公園から橋を渡ったところにある、「本川公園」は子供のころから沢山の時間を過ごした大切な思い出の場所。その本川公園で、無邪気に遊ぶ子供たちを見て、自然に微笑みが漏れます。「平和」な日常の大切さを深く深く想わずにはおれません。

それぞれの碑や資料館をじっくりいけば、たっぷり一日はかかるボリュームだと思いますので、コロナ禍が明けた際には、「旅できる幸せ」をかみしめながら、改めて「平和」について、考えてみてはいかがでしょうか!?

投稿者の歩幅などについては、「ビジネス旅館はらだのスタッフ紹介」のページをご参照ください!

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